古い蔵戸の鍵付き錠前1点、落とし鍵2点の出品です。製作は江戸?堅牢な構造の蔵は時代を超えて使われ、蔵戸の錠前や鍵も時代を超えて役割を果たして来たのでは。
十分な防火性能を持つ蔵戸は、外側に「戸前(とまえ)」と呼ばれる分厚い両開きの白漆喰塗りの扉、その奥に二重の引き戸、手前が「裏白戸(うらじろど)」と呼ばれる表がねずみ色で裏が白漆喰塗りの引き戸、その奥が「綱戸」と呼ばれる上半分が格子に銅綱の引き戸、この構造が一般的で、「戸前」と「裏白戸」が防火用、「綱戸」が防虫用。
蔵は時代劇などで登場するので蔵戸はイメージ出来るのでは。施錠はどうでしょうか。
蔵戸に合わせ三ヶ所が施錠対象、①の錠前は「戸前」用、「落とし鍵」と呼ばれる②、③は「裏白戸」や「綱戸」用で、引き戸の施錠が「落とし棒」式の場合の解錠用です。勿論引き戸に錠前が使われることも。
「落とし棒/鍵」の仕組みは下の説明を参考にして下さい。
【鍵付き錠前①】(以下単位㌢)
鉄製で全体に錆、鍵で解錠でき施錠も問題なし。
本体:幅14.9、高10.2、厚2.5/
施錠域:幅×高8.2×1.1、 軸0.8/
重量:948㌘/
鍵:長×幅7.6×3.6/
【落とし鍵②】
L字鍵全体が鉄製で一般品、鉄に少々の錆。
握り手:長(〜L角)22、幅3.5/
L字鍵:長(角〜先)12/
重さ:252㌘/
【落とし鍵③】
握り手はよく見る木製ですが、胴膨らみ加工、黒漆?塗り、黄銅装飾金具付きで特注品か、経年や使用で汚れキズ剥げも。L字鍵の鉄全体に錆。
握り手:長(〜L角)27、径3.8/
L字鍵:長(角〜先)13.5/
重さ:221㌘/
蔵戸の古い錠前や落とし鍵です。ディスプレイにもしていただけるのでは。
【参考:「落とし棒/鍵」の仕組み】
引き戸正面の穴から「鍵」を差し込み、その先端を背面に設けられた「棒」の穴に合わせ入れて「鍵」を回すと「棒」が持ち上がりロックが解除、これで引き戸を引き開けることが。
引き戸の下枠となる敷居(レール)に彫られた溝に「棒」の先が落ち込み引き開けることが出来ない状態がロック状態。
「鍵」を外し引き戸を敷居に沿って引き閉める時、「棒」先が溝に落ち込みロック状態に。
「鍵」のL字鍵の長さが合わないと「棒」の穴に合わせ入れることが出来ずロック解除が不可。
この仕組みは、当時のオートロックと言えます。
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